高速道路や有料道路を利用する時、あなたはETCカードを利用していますか?
「ETCの仕組みがわからない」
「手続きが面倒くさい」
「ETCを取り付け方がよくわからない」
「無駄な出費がかかる」
ETCカードは、料金所をスムーズに通過できるだけのカードではありません。
お得な割引制度やポイントサービス、渋滞を抜ける裏技まで利用できるお得なカードなのです。
ここではETCカードのメリット・デメリット、ETCカードの作り方、お得な割引制度まで初心者にもわかりやすく徹底解説していきます。
ETCカードとは?
ETCカードとは、高速道路の渋滞を緩和する為に開発された、料金自動払いレーン(ETC専用レーン)を利用するためのカードです。
ETCカードを利用すれば、高速道路の料金所でわざわざ停車し、料金を支払うことなくノンストップで料金所を通過できます。また、ETCカードを利用することにより高速道路料金が割引になる制度もあります。
ETCカードは料金の支払いをクレジットカードの機能で行うため、クレジットカード会社が発行しています。
通常、料金の支払いはクレジットカードの利用料金と一緒に後払いで請求されます。
ETCシステム
Electronic Toll Collection System (エレクトロニック・トール・コレクション・システム)の 略称。
ETCを利用するためには、ETCカードとETC車載器という通信機器が必要となります。
自分の車にETC車載器を設置し、ETC車載器の挿入口にETCカードを挿入して利用します。
ETC車載器はETCレーンの料金所のアンテナと無線通信するための機器です。
車の車両情報が登録されており料金所のアンテナと無線通信することによりどの車両が利用したかを識別します。
ETC車載器には料金支払いの機能はありません。料金支払い機能は挿入してあるETCカードで処理します。
ETCシステムのための料金支払い専用カード
・ETC車載器
ETC専用レーンの料金所アンテナと無線通信する機器
ETC利用台数は約805万台、ETC利用率は90%を超えています。
ETCカードのメリット・デメリット
ETCカードには多くのメリットがあります。
そもそも高速道路の渋滞緩和のために作られた仕組みがETCシステムです。利便性や特典がないと誰も切り替えてくれません。そのため今までの仕組み以上のメリットがあるのです。
もちろんまったくデメリットがないわけではありません。
ここでは多様なETCカードのメリットとデメリットを解説していきます。
ETCカードのメリット
ETCカードのメリットまとめ
- ノンストップで料金所を通過できる
- 高速道路料金がお得になる
- 料金は後払いで一括清算
- 渋滞の裏技スマートIC(インターチェンジ)も利用できる
ノンストップで料金所を通過できる
一番のメリットといえばなんと言ってもこれでしょう。
ETCカードを使えば、高速道路の料金所でわざわざ停車し、サイフからお金をだして、料金所スタッフに渡すといった作業がまったく必要ありません。
ノンストップで料金所を通過できるため、時間の短縮、料金所周辺の渋滞のイライラが解消され快適なドライブが可能です。
高速道路の渋滞の原因の一つとして、料金所の一時停止が上げられています。
特に年末年始やGWなどの連休は車の台数が多いため、ノンストップでの料金所通過は渋滞の緩和にも大きなメリットがあります。
外車(左ハンドルの車)は特に利便性がある
日本の高速道路料金所は車両の右側にあるため、左ハンドルの車だと、助手席をまたいで料金所の支払いをしなくてはなりません。ETCであればこの煩わしさから解放されるので、左ハンドルの車にはかなりの利便性となります。
高速道路料金がお得になる
ETCカードを利用すると現金で支払うよりも料金が安くなり大変お得です。
■ETCには割引制度がある
ETCには、平日朝夕割引、深夜割引、休日割引、全国各地で期間限定で行われる乗り放題プランや周遊割引など多くの割引制度があります。
また近年では次世代のETCであるETC2.0を利用する割引制度も導入されています。
平日朝夕割引 | 深夜割引 | 休日割引 | |
---|---|---|---|
対象期間 | 平日(土・日・祝除く) 6時~9時、17時~20時 | 全日 0-4時 | 土曜日・日曜日・祝日(終日) ※毎年1/2、1/3を含む |
割引率 | 30~50% | 30% | 30% |
対象道路 | NEXCOの指定する高速道路及び宮城県道路公社の仙台松島道路 | NEXCOの指定する高速道路及び宮城県道路公社の仙台松島道路 | NEXCOの指定する高速道路及び宮城県道路公社の仙台松島道路 |
対象車種 | 全車種 | 全車種 | 普通車・軽自動車等(二輪車)限定 |
※休日割引はお盆期間など高速道路の渋滞分散のため適用日が変更になる場合あり
■ETCマイレージが貯まる
ETCマイレージとはETC専用のポイントサービスです。ETCでの高速料金支払額に応じてポイントが貯まります。貯まったポイントは高速料金の支払いに利用できます。
■クレジットカード特典
ETCカードはクレジットカード会社が発行していますので、クレジットカード会社に応じた特典サービスをそのまま受けることができます。
クレジットカード会社のポイントサービス、キャッシュバックキャンペーンなどを利用することによりさらにお得となります。
料金は後払いで一括清算
ETCカードを使えば、料金所を通過するたびに料金の支払いをする必要がありません。
クレジットカード料金と一緒に後日一括で請求されます。
毎回サイフをだして支払うといった手間が省けます。
渋滞の裏技スマートIC(インターチェンジ)も利用できる
インターチェンジとは高速道路の出入り口のことです。
スマートICは、ETC専用のインターチェンジのことです。
通常のインターチェンジは設備の建設と運営にかなりのコストを必要としますが、スマートICは簡易な設備で無人のため低コストで導入することができます。
高速道路へのアクセス向上のため従来のインターチェンジの間、サービスエリア (SA)、パーキングエリア (PA)、バスストップ (BS)に設置されています。
スマートICは利用すれば、より近い距離で高速道路にアクセスしたり、渋滞の抜け道として利用できます。
ETCカードのデメリット
ETCカードのデメリットまとめ
- クレジットの審査・発行申請が手間
- 導入費用がかかる
- ETCカードを盗難されるリスクがある
- ETCレーン開閉バーのトラブル
クレジットの審査・発行申請が手間
ETCカードはクレジットカード会社が発行していますので、当然ですがクレジットカードと同様の審査が必要となります。
通常であれば問題ないところですが、過去にクレジットカード料金の延滞などでブラックリスト入りしている人だと審査が通りません。
・クレジットカード料金、キャッシングの支払いの延滞
・携帯電話料金の延滞
・自己破産、任意整理などの債務整理
発行までに時間がかかる
ETCカードは手続き申請をしてから手元に届くまでに約1~2週間かかります。
ETCカードはクレジットカードとセットで発行されるもので、単独では発行されません。
クレジットカードの申込中か申込後に追加の申請が必要となります。
導入費用がかかる
ETCカードを利用するためかかる費用は下記となります。
■クレジットカードの発行手数料・年会費
クレジットカードの種類によっては、発行手数料と年会費がかかります。
■ETC車載器の購入費
ETCカードとセットで使用する、ETC車載器の購入費用がかかります。
ETCの車載器の価格はタイプ、性能などにより様々です。
価格帯としては7,000円~30,000円前後で、10,000円前後の商品が最も多くあります。
予算や用途によって検討する必要があるといえるでしょう。
■セットアップ費用
ETC車載器は購入しただけではETCを利用できません。
ETC車載器に車両情報を登録するセットアップという作業が必要となります。
セットアップは専門のお店で行う必要があり、2,500円~3,000円が相場です。
■ETC車載器の取りつけの費用
ETC車載器を自分の車に取りつけるのにも費用がかかります。お店によって差はほどんどありませんが、5,000円前後が相場です。
このようにETCを利用するには、初期費用と維持費用がかかります。高速道路を頻繁に利用しない場合、ETCがもつ割引制度と比較して、どちらがお得になるか検討する必要があります。
ETCカードを盗難されるリスクがある
ETCカードはクレジットカードと連動しているため、盗難にあい不正利用されるリスクがあります。
特に毎回のETCカードの抜き差しが面倒で、ついつい車載器に挿入したまま保管するケースが多く、盗難にあう件数も増えています。
ETCカードには盗難保険が付与されているカードもありますが、車内の車載器に挿入したままなど、管理者に過失があった場合、保険が適用されない可能性もあります。
ETCレーン開閉バーのトラブル
高速道路の料金所をノンストップで通過できる利便性があるETCレーンですが、ETCレーンの開閉バーが何らかの理由で開かないといったトラブルに巻き込まれる可能性があります。
ETCレーンの開閉バーが開かない原因
・ETCカードが正しく挿入されていない
・ETCカードの破損・変形などの接触不良
・ETCカードの有効期限切れ
・ETC車載器の故障
・ETC車載器の電源接触不良などの配線トラブル
・登録車両と実車両が違うなでのセットアップ情報トラブル
その他にも雪などで料金所のアンテナが遮られ、開閉バーが開かないといったケースもあります。
また、ETCレーン開閉バーのトラブルは自分の前を走ってる車などでおこる場合もあります。
ETCレーンの開閉バーが開かない時の対処方法
・ハザードランプを点灯して、後続車に知らせる
・インターホンや呼び出しブザーで係員に連絡する
・係員の指示に従う
ETCカードの種類
ETCカードにはETC専用カード、ETC一体型クレジットカード、ETCパーソナルカードの3種類があります。
各ETCカードの特徴を一覧にまとめました。
ETC専用カード | ETC一体型クレジットカード | ETCパーソナルカード | |
---|---|---|---|
発行元 | クレジットカード会社 | クレジットカード会社 | 高速道路株式会社6社※1 |
クレジット機能 | - | ● | - |
クレジット審査 | ● | ● | - |
デポジット(保証金 | - | - | ● |
発行枚数 | カード銘柄による | カード銘柄による | 1申込1枚 |
発行手数料/枚 | カード銘柄による | カード銘柄による | - |
年会費 | カード銘柄による | カード銘柄による | 1234円(税込) |
利用手数料 | カード銘柄による | カード銘柄による | - |
平日朝夕割引 | ● | ● | ● |
深夜割引 | ● | ● | ● |
休日割引 | ● | ● | ● |
障がい者割引 | ● | ● | ● |
一般向け割引 | ● | ● | ● |
ネット申込 | ● | ● | - |
マイレージ | ● | ● | ● |
ポイント還元率 | カード銘柄による | カード銘柄による | - |
レンタカー・リース車両などでの使用 | ● | ● | ● |
※1 NEXCO東日本/中日本/西日本、首都高速道路株式会社、阪神高速道路株式会社、本州四国連絡高速道路株式会社の6社が共同
ETC専用カードとは
クレジットカード会社が発行するETC専用カードです。
ETC専用カードにはクレジット機能はなく、クレジットカードとETC専用カードがセットで発行されますので、2枚のカードを持つことになります。
クレジットカード+ETC専用カードに分かれていることから分離型とも呼ばれています。
個人向けと法人向けがあります。
年会費や手数料などは各クレジットカード会社により様々です。
またカード会社によってサービス内容も違いますので、使用頻度やライフスタイルにあわせて選ぶ必要があります。
三菱UFJニコス(株)(DC)
三菱UFJニコス(株)(MUFG)
三菱UFJニコス(株)(NICOS)
(株)オリエントコーポレーション
三井住友トラストクラブ(株)
ユーシーカード(株)
イオンクレジットサービス(株)
トヨタファイナンス(株)
アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, INC.
(株)ジェーシービー
(株)セディナ(OMC)
(株)セディナ(CF)
(株)クレディセゾン
ETC一体型クレジットカードとは
クレジット会社が発行するクレジットカードとETC機能が一体となったカードです。
クレジットカードと一体になっているため、そのままショッピングなどに利用することもできます。
カードの枚数を増やしたくない人にオススメですが、現時点では選択肢が非常に少なくなっています。
ETCパーソナルカードとは
高速道路株式会社6社が共同で発行するETC専用カードです。
クレジット機能はなく、ゆうちょ銀行・銀行等の口座から直接引き落とされます。利用するにはデポジット(保証金)を預ける必要があります。
クレジット機能がないため、デポジットを支払えばクレジットカード発行時のような審査はなく利用できます。
デポジット(保証金)について
ETCパーソナルカードのデポジット額は高速道路の平均利用月額の4倍となります。
平均利用月額が5000円以下の場合は5000円と計算します。
つまり最低でも20000円をデポジットとして預けなければいけません。
デポジットはそのまま高速道路料金として利用できませんが、解約時に返金されます。
デポジット(保証金)の計算方法には注意が必要
高速道路の利用金額がデポジット額の80%を超えてしまうとETCが利用できなくなります。
40000円をデポジットとして預けている場合、32000円を超えた時点で利用できなくなりますので、注意が必要です。
またデポジットの最低額である20000円を預けている場合、高速利用料金が70%の14000円に達した段階で口座振替にて追加の20000円のデポジットを払う必要があります。
ETCカードの作り方
各ETCカードの作り方を解説します。
ETC専用カードの作り方
ETC専用カードはクレジットカードとセットになったカードなのでクレジット会社を通じて申し込みます。
既にクレジットカードを持っていて、そのクレジットカード会社がETCに対象している場合は、ETCカードだけを追加発行します。
申込み方法は各クレジットカード会社により異なりますので、各クレジットカード会社に確認しましょう。
ここでは、「JCB CARD W」を例に申し込み手順を説明します。
「JCB CARD W」は年会費無料で高いポイント還元率が売りのWEB入会限定のクレジットカードです。
■新規で「JCB CARD W」に申込む場合
①クレジット会社公式サイトよりクレジットカードを申し込みます。
公式サイトのから「カードを申込む」に進みます。
申し込みの前に「JCB CARD W」の対象条件を確認します。
・インターネットで支払い口座の設定が可能な金融機関の普通預金口座を持っている。
みずほ、三菱UFJ、三井銀行、ゆうちょ銀行の他、ジャパンネット銀行などのネット系・流通系銀行、地方銀行など全91行が対応しています。
②会員規約に同意の上、名前、生年月日、職業、年収、銀行口座情報などを入力します。
③オンライン口座の設定を行います。通常は、ネットバンキングサービスの画面が開きログインして設定します。
※銀行によっては支店・口座番号、暗証番号などで設定する場合もあります。
④ネットバンキングサービスの規約を同意の上、口座振替の申込みをします。
⑤JCBサイトに戻り、性別、郵便番号、住所、電話番号を入力します。
⑥キャッシングサービスの選択、勤め先の電話番号など必要事項を入力する画面で、ETCカードを申込みを選択し申込みます。
⑦支払い名人、携帯電話料金のカード支払い申込など付帯サービスを設定し、申込みが完了します。
⑧JCBの審査完了後、問題なければ、申込みから2-3週間でクレジットカードとETC専用カードが登録住所に郵送されます。
MyJCB(マイジェーシービー)
ETC一体型クレジットカード
ETC一体型クレジットカードはクレジットカードとETCカードが一体となったクレジットカードで、カードの枚数を増やすことなくETCカードが持てるといったメリットがありました。
ただ、車載器でのカードの抜き忘れ等の問題からでしょうか、元々、対応していたクレジットカード会社が少なかったのですが、ほとんどのクレジットカード会社がサービスを終了しています。
唯一の選択肢としてあった「JCBドライバーズプラスカード」も2018年11月26日(月)をもって新規募集を終了してしまいました。
2018年11月26日(月)をもって新規募集を終了
イオンETCカード(ETC一体型)
ENEOSカード(ETC一体型)
ETCパーソナルカード
高速道路株式会社6社が共同で発行するETC専用カードである「ETCパーソナルカード」の作り方の手順を説明します。
①高速道路のサービスエリア(SA)等のインフォメーションで「ETCパーソナルカード利用申込書」を入手します。利用申込書はETCパーソナルカード事務局に電話連絡して、郵送してもらうこともできます。
(土日、祝日、年末年始除く9:00~17:00)
②「ETCパーソナルカード利用申込書」に必要事項を入力し、ETCパーソナルカード事務局に郵送します。
申込みにあたっては
- ゆうちょ銀行の通常貯金口座または銀行等の預金口座
- 本人確認書類
が必要となります。
③問題なければ、ETCパーソナルカード事務局よりデポジット(保証金)振込み用の払込取扱票が送付されます。
④払込取扱票をもって、最寄りのコンビニまたは郵便局取扱窓口にてデポジットを振込みます。
⑤デポジットの入金確認後、2週間程度でETCパーソナルカードが発行されます。
ETCマイレージサービスとは
ETCマイレージサービスとは、ETCカードを利用して高速道路の通行料金を支払った場合に、利用額に応じてポイントが貯まるサービスです。
貯まったポイントは還元額(無料通行分)として、次回の通行料金に利用できます。
ETCマイレージサービスの申込み方法
ETCマイレージサービスはETCカードをもっているだけでは利用できません。
事前にETCマイレージサービスに登録する必要があります。
申込み方法は、インターネットまたは郵送の2通りの方法があります。
申込みをするにあたっては
- ETCカードまたはETCパーソナルカード
- 車載器の車載器管理番号
- 車両ナンバー(ナンバープレートの登録一連番号)
が必要となります。
ETC利用照会サービス
ETCカードの利用履歴は、カード会社から毎月送られてくる利用明細で確認する以外にも
「ETC利用照会サービス」というWEBサービスでネットでも確認することもできます。
ETC利用照会サービスとは
ETC利用照会サービスは、ETC利用証明書の発行、ETC利用証明書の走行明細の確認ができるWEBサービスです。
ETC専用カード、ETCパーソナルカードの他に、高速道路会社(NEXCO)が発行するETCコーポレートカードに対応しています。
ETC無線走行以外にもETCカードの手渡しでの精算も反映
利用明細をCSVファイルでダウンロード可能
ETC利用照会サービスの申込み方法
ETC利用照会サービスを利用するには、
過去15ヶ月以内(ETCコーポレートカードの場合は過去62日間)に1回以上のETCの無線通行が必須となります。
利用がない場合は登録手続きができませんので、ETCの無線通行を行ってから登録するようにして下さい。
申込みをするにあたっては
- ETCカードまたはETCパーソナルカード
- 車載器の車載器管理番号
- 車両ナンバー(ナンバープレートの登録一連番号)
- ETCを利用した年月日
- 登録用のメールアドレス
が必要となります。
ETCカードのセットアップ方法・料金
ETCカードドはカードだけでは利用することはできません。
ETCカードを利用するには、下記の手順でETCカードを車両に取りつける必要があります。
■ETCカード取りつけの手順
①ETC車載器の購入
↓
②ETC車載器のセットアップ
↓
③ETC車載器を利用車両に取りつけ
↓
④ETCカードをETC車載器に挿入
①ETC車載器の購入
ETC車載器とは自動車やバイクに取りつけETCカードを利用するための機器です。
料金所のアンテナと無線通信をする機能があり、ETCカードを挿入して利用します。
各自動車メーカー、自動車部品メーカー、カー用品メーカー、家電メーカーなどが発売されており、
カー用品店、家電量販店などの店舗かAmazonなどのネット通販で購入できます。
■ETC車載器のタイプ
ETC車載器は車の取りつけ位置によって3タイプに分かれます。
2ピースタイプ(アンテナ一体型)
本体(ETC処理機能、ETCカード挿入口)とアンテナが一体となっているタイプです。
ダッシュボード上やフロントガラスなど無線通信の障害にならない場所に設置します。
本体+ETCカードで構成されるため、「2ピースタイプ」と呼ばれます。
3ピースタイプ(アンテナ分離型)
本体とアンテナが分離されているタイプです。
アンテナ部分をダッシュボード上やフロントガラスなど無線通信の障害にならない場所に設置し、本体部分は自由な場所に設置可能です。
本体+アンテナ+ETCカードで構成されるため、「3ピースタイプ」と呼ばれます。
ビルトインタイプ
車本体にETC車載器を取りつけるタイプです。各自動車メーカーから発売されています。
設置場所は車のセンターパネルやミラー部分などメーカによって様々のタイプがあり、ビルトインタイプの中でも、2ピースタイプ、3ピースタイプがあります。
ETC車載器の価格
ETCの車載器の価格はタイプ、性能などにより様々です。
価格帯としては7,000円~30,000円前後で、10,000円前後の商品が最も多くあります。
予算や用途によって検討する必要があるといえるでしょう。
②ETC車載器のセットアップ
ETC車載器を購入しただけでは利用できません。必ずセットアップという作業を行う必要があります。
セットアップとはETC車載器に車両情報を登録する作業です。
ETC車載器は利用する車の車両情報を高速料金所のETCシステムと無線通信し、ETCレーンを通過する車両が正しいものかを判断しますので、セットアップは必ず行わなければなりません。
セットアップは、ETCシステムの管理運用を行う道路システム高度化推進機構(ITS-TEA)の審査に合格した全国の登録店で行えます。セットアップ店は全国に約29000店あり、下記URLから最寄りのセットアップ店を検索可能です。
セットアップ店検索

■セットアップに必要なもの
セットアップ登録店でセットアップするには下記が必要となります。
用意するもの
- ETC車載器
- 車検証
- 運転免許証等の身分証明書(本人が確認できるもの)
- 委任状(本人以外が申込する場合)
登録店で用意されているもの
- セットアップ申込書
※委任状は本人以外の代理人が行う場合に必要となりますが、法人車両またはETC利用者の家族が来店する場合は、来店者が法人に属していること、家族であることが身分証明書で確認できれば委任状は不要となります。
セットアップ申込書は登録店に用意されています。登録店が車検証の車両使用者(車載器利用者本人)であることを確認できた段階で、セットアップ申込書にサインします。その他の記載は登録店が行います。
■セットアップの流れ
セットアップの大まかな流れは下記となります。
登録店とITS-TEAの間でのやり取りとなりますので、こちらで何かすることはありません。
①登録店がITS-TEAへ申請
②ITS-TEAがセットアップデータを作成
③ITS-TEAが登録店へセットアップデータを返送
④登録店がセットアップデータを車載器にセットアップ
■セットアップの方法は2通り
セットアップの方法にはオンラインセットアップとオフラインセットアップの2種類があります。
登録店によって取扱が違いますので、事前に確認しておく必要があります。
時間に余裕がない場合は、当日で申請が完了するオンラインセットアップ取扱登録店での申請をオススメします。
・オンラインセットアップ
オンラインセットアップとは登録店とITS-TEA間のセットアップ申請のやり取りをインターネット上で行う方法です。
オンラインセットアップ取扱登録店で行えます。
問題がなければ申込日にセットアップが完了し、ETCカードが利用できるようになります。
・オフラインセットアップ
オフラインセットアップとは登録店とITS-TEA間のセットアップ申請のやり取りをFAX及び郵送で行う方法です。
オフラインセットアップ取扱登録店で行えます。
セットアップの完了には申込から1週間程度の時間がかかります。またETC2.0車載器のセットアップは対応していません。
■セットアップの料金
セットアップ費用は、2,500円~3,000円が相場です。登録店によってそれほど差はありませんが、ETC車載器の取りつけを同時に行う場合は設置費用が別途発生します。事前に登録店に確認しておきましょう。
③ETC車載器の取りつけ
ETC車載器のセットアップが完了したら、自身の車両にETC車載器を取り付ける作業となります。
ETC車載器の取りつけ作業は、通常であれば、セットアップを行った登録店でそのままセットで行うのが無難でしょう。その他、カー用品店やディーラーなどでも受け付けいます。
■ETC車載器の取りつけの料金
ETC車載器の取りつけの料金は、5,000円が相場です。店によってそれほど差はありません。セットアップ料金とのセット割やキャンペーンなどで店舗によって多少お得になる場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
■自分で取りつける
ETC車載器の取りつけ作業は、自分でも行えます。
自分で取りつけるメリットは
- 取りつけ費用がかからない
- 自分の好みの位置にETC車載器を配置できる
となります。
ただし、車の配線や電気系統の知識が必要なのと当然ですがその作業の手間と時間がかかります。
④ETCカードをETC車載器に挿入
セットアップ、ETC車載器の取りつけが完了していれば、あとは車載器のカード挿入口にETCカードを挿入すれば、ETCカードを利用できます。
レンタカーでの利用
ETCカードはレンタカーでもそのまま利用することができます。
ETC車載器装備の車であれば、自身のETCカードを挿入して高速道路・有料道路での走行に利用できます。
ただ、全てのレンタカーにETC車載器が装備されているわけではないので、レンタカー会社に確認しましょう。
ETCカードを自宅に忘れてしまった等で手元にETCカードがない場合は、ETCカードをレンタカー会社でレンタルすることができます。
ETCカードのレンタル費用は無料~300円程度が相場です。
ニッポンレンタカー、日産レンタカー、トヨタレンタリースなどの大手レンタカー会社などで取扱っていますので、必要な場合はレンタカー会社に確認しましょう。
ETCカードの再発行
ETCカードを紛失した場合や破損又は変形などでETCカードを使えなくなった場合、再発行手続きをする必要があります。再発行手続きはETCカードの種類によって違います。
ETC専用カードの再発行
ETC専用カードを紛失した場合は、発行元のクレジットカード会社で再発行手続きを行います。
・クレジットカード会社指定の再発行手続きを行う
・紛失・盗難の場合は、最寄りの警察署や各施設の忘れ物窓口などにに届け出る
・ETCマイレージサービスを利用している場合は、ETCマイレージサービス事務局に問い合わせる
携帯電話、PHS、IP電話などでのご利用は、045-477-3793
(受付:平日9:00~21:00 土日、祝日9:00~18:00)
■ETCカードの再発行手数料
ETCカードの再発行にあたっては、
発行元クレジットカード会社によって500円~1,000円程度の再発行手数料がかかります。
破損又は変形などの場合は再発行手数料がかからない場合もありますので、発行元のクレジットカード会社に確認して下さい。
ETCパーソナルカードの再発行
ETCパーソナルカードを紛失した場合は、ETCパーソナルカード事務局で再発行手続きを行います。
・ETCパーソナルカード事務局指定の再発行手続きを行う
・紛失・盗難の場合は、最寄りの警察署や各施設の忘れ物窓口などにに届け出る
・ETCマイレージサービスを利用している場合は、ETCマイレージサービス事務局に問い合わせる
TEL:044-870-7333ETCマイレージサービス事務局:TEL 0570-010125
携帯電話、PHS、IP電話などでのご利用は、045-477-3793
(受付:平日9:00~21:00 土日、祝日9:00~18:00)
■ETCパーソナルカードの再発行手数料
ETCパーソナルカードの再発行にあたっては、
カード1枚につき1,234円(税込)の再発行手数料がかかります。
ETCカードの解約方法
ETCカードを解約したい場合、解約する方法はETCカードの種類よって違います。
ETC専用カード・ETCパーソナルカードを解約するとマイレージポイントが消滅してしまいますので、
ETCマイレージポイントが貯まっていれば、解約前に使い切った方がお得です。
ETC専用カードの解約方法
ETC専用カードはクレジットカードとETC専用カードがセットになっていますので、
解約には次の2パターンがあります。
- クレジットカードとETC専用カードの両方を解約する
- ETC専用カードのみを解約する。
解約方法は電話、書面郵送、インターネット手続きなど各クレジットカード会社によって違いますので、発行元のクレジットカード会社に確認しましょう。
ETCパーソナルカードの解約方法
①ETCパーソナルカード事務局に電話で解約の連絡をします。
TEL:044-870-7333
②折り返し担当者より、解約とデポジットの返金の連絡があります。
③ETCパーソナルカード解約書が送付されます。
④ETCパーソナルカード解約書とETCパーソナルカードを返送すれば解約完了です。
⑤デポジットが指定の口座に入金されます。
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