ETCコーポレートカードというものをご存知でしょうか?
ETCコーポレートカードは、高速利用料金に月数万円以上払っているような会社や自営業者(個人事業主)が持つと大変お得になるETCカードです。
「なぜお得になるのか?」
ここでは、ETCコーポレートカードの高速料金の割引の仕組みから、メリット・デメリット、作り方まで、徹底的に解説していきます。
ETCコーポレートカードとは?
ETCコーポレートカードとは、会社や自営業者(個人事業主)向けのETCカードのことです。
通常のETCカードと同様に利用する車に取りつけ、高速道路のETCレーンで利用できます。
会社や自営業者向けということで、仕事などで頻繁に高速道路を利用する方には、高速料金が非常にお得になる大口・多頻度割引制度を持つETCカードです。
もちろん通常のETCカード同様に平日朝夕割引などの割引制度も適用されます。
通常のETCカードはクレジットカード会社が発行していますが、ETCコーポレートカードは高速道路会社(NEXCO)が発行しています。
なお、コーポレートカードとあるとおり法人専用と思われがちですが、実は個人でも申し込むことができます。
ETCコーポレートカードの特徴
ETCコーポレートカードの特徴をまとめると下記のようになります。
ETCコーポレートカードの特徴 | |
---|---|
発行 | 高速道路会社(NEXCO) |
クレジット審査 | 無 |
発行手数料/枚 | 617円 |
取扱手数料/年/枚 | 無 |
利用手数料 | 有 |
大口・多頻度割引 | 有 |
平日朝夕割引 | 有 |
深夜割引 | 有 |
一般向け割引 | 無 |
マイレージ | 無 |
ポイント還元率 | 無 |
・1台に1枚ずつ発行される。必要枚数発行するができます。
・車の使用者名義は事業者と一致している必要がある。
・他の車へのカードの使い回しはできない。
クレジット機能・審査はなし
ETCコーポレートカードは高速道路会社(NEXCO)が発行するETC専用カードで、クレジットカード会社が発行する通常のETCカードのようなクレジット機能はありません。
クレジットカード機能がないため、クレジットカード発行時のような審査もありません。
ETCコーポレートカードの手数料
ETCコーポレートカードの発行にあたっては、
1枚毎に発行手数料617円(税込)と取扱手数料年617円(税込)が必要となります。
ただ、利用時に手数料がかかることはありません。
ETCコーポレートカードの割引制度や利便性を考慮すると大変お得であると言えます。
取扱手数料/年/枚:617円
利用手数料:無
高速道路会社(NEXCO)とは?
NEXCO(ネクスコ)とは、2005年の日本道路公団の民営化により発足した高速道路会社の内、
- 東日本高速道路
- 中日本高速道路
- 西日本高速道路
の3社の総称です。
Nippon EXpressway COmpany Limitedの頭文字の一部をとってNEXCO(ネクスコ)と呼びます。
それぞれ、
- NEXCO東日本
- NEXCO中日本
- NEXCO西日本
という名でテレビCMなどでおなじみかと思います。
なお、高速道路会社は管轄エリア毎に6つの会社が存在します。
会社名 | 管轄エリア |
---|---|
東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本) | 北海道や東北地方、関東地方や信越地方などのエリア |
中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本) | (NEXCO中日本)東海地方や関東地方、北陸地方などのエリア |
西日本高速道路株式会社(NEXCO西日本) | 近畿地方や中国地方、四国地方や九州地方と沖縄などのエリア |
本州四国連絡高速道路株式会社(JB本四高速) | 本州四国の連絡道路 |
首都高速道路株式会社 | 首都高速 |
阪神高速道路株式会社 | 阪神高速 |
ETCコーポレートカードは東日本/中日本/西日本高速道路株式会社のNEXCO(ネクスコ)3社が発行する大口・多頻度割引制度を持つETCカードです。
ETCコーポレートカードのメリット・デメリット
月に数万円を高速道路料金に支払っているようないわゆる大口の会社や自営業者(個人事業主)であれば、大口割引・他頻度割引制度をもつETCコーポレートカードは非常にお得なETCカードといえます。
そんな便利でお得なETCコーポレートカードですが、この世に完璧なモノがないように利用者によってはやはりメリット・デメリットが存在します。。。
ここでは、ETCコーポレートカードのメリット・デメリットを徹底解説していきます。
その前にETCコーポレートカードは高速道路会社(NEXCO)が発行していると書きましたが、
実は申込み方法が2種類あります。
①高速道路会社(NEXCO)各社の取扱窓口より直接申し込む
②協同組合に加入して申し込む
共通する事業・目的のため個人や中小企業などが集まり組合員となって、お互いに助け合う組織です。
ETCコーポレートカードの場合、協同組合がNEXCOと直接契約し、組合に加入すれば、ETCコーポレートカードが組合に発行され組合員にカード貸与できます。
この場合、組合が利用者から利用料を徴収し、一括で高速道路会社(NEXCO)に支払います。
協同組合に加入することにより連帯保証人をたてたり、保証金の預託をする必要がなくなります。
■協同組合の組合費
協同組合に加入する場合、組合費として1社10000円が必要となります。ただし、こちらの組合費は脱退時に返金されます。
ETCコーポレートカードのメリット
ETCコーポレートカードのメリットをまとめる以下のようになります。
- 大口・多頻度割引+通常のETCカードの割引が受けられる
- 車両の管理、経費の管理が向上する
- 申し込み時に業務にあわせて必要な枚数を作成できる
- クレジット審査が不要なので起業したての会社や赤字の会社でも作る事ができる
大口・多頻度割引+通常のETCカードの割引が受けられる
ETCコーポレートカードは月に数万円も高速料金を払っている大口ユーザーのためのETCカードです。
ETCコーポレートカード独自の割引である大口・多頻度割引は最大のメリットと言ってもいいでしょう。
大口・多頻度割引は
NEXCOの指定する高速道路で最大で30%、ETC2.0利用車両であれば最大で40%の割引を受けることができます。
1ヶ月の利用額が5千円以上から適用され、3万円以上になれば最大30%(ETC利用車両40%)の割引となります。
自動車1台ごとの1ヶ月の高速ご利用額 | 割引 | 割引(ETC2.0利用) |
---|---|---|
5千円を超え、1万円までの部分 | 10% | 20% |
1万円を超え、3万円までの部分 | 20% | 30% |
3万円超える部分 | 30% | 40% |
※平成31年3月末まで
※各道路運営会社によって異なる場合があります。
また通常のETCカードの割引である平日朝夕、深夜、休日割引も受けることができます。
平日(土・日・祝除く)6時~9時、17時~20時の間で最大50%OFF
深夜割引
全日 0-4時の間で30%OFF
休日割引
土曜日・日曜日・祝日(終日)で30%OFF
※毎年1/2 1/3を含む
特に平日朝夕割引については、
通常のETCカードが翌月20日に無料通行分として還元されるところ、
請求時に割引分がそのまま値引きされるので大変使いやすくなっています。
車両の管理、経費の管理が向上する
ETCコーポレートカードを利用すると車両別に利用日、区間毎の利用明細が発行されるため、車両毎の高速道路の利用状況が簡単に把握でき管理・経理業務を効率化することができます。
ETCカードの本来の機能である、通行料金をその都度支払う必要がなくノンストップで通過できるため業務自体の効率化も図ることができます。
これらの効果によりETCコーポレートカードの割引制度とあわせて全体の経費を削減することもできます。
申し込み時に業務にあわせて必要な枚数を作成できる
ETCコーポレートカードは事業者向けのETCカードなので、車両数に応じて必要な枚数を制限なく作成することができます。
また追加発行にも枚数制限がありません。
クレジット審査が不要なので起業したての会社や赤字の会社でも作る事ができる
ETCコーポレートカードは高速道路会社(NEXCO)が発行するETC専用カードであるため、クレジットカード会社が発行する通常のETCカードが持っている買い物などで利用できるいわゆるクレジット機能はありません。
会社などで社員に持たせた場合、高速料金のETC利用でしか使用できないので、社員の不正利用等を防止できます。
クレジットカード機能がないため、当然ですがクレジットカード発行時のような審査もありません。
- 起業したての会社や事業歴の短い会社
- 過去にクレジット等の返済遅延がある
などの事業者には利点となります。
ETCコーポレートカードのデメリット
ETCコーポレートカードのデメリットをまとめると以下のようになります。
- 申し込みの手続きのハードルが高い
- ETCマイレージサービスが利用できない
- 登録した車両以外では利用できない
- NEXCOが指定する高速道路でないと割引が適用されない
- 利用金額が多くないと割引が適用されない
申し込みの手続きのハードルが高い
ETCコーポレートカードは、クレジット審査が不要のため、起業したての会社や赤字の会社でも作る事ができるのですが、申込みの手続きのハードルが意外に高く、これがETCコーポレートカードの最大のデメリットとなっています。
ETCコーポレートカードの利用約款には、契約できない要件として「支払いの保証をいただけない場合」という一文があります。これは支払いの保証をしなくては申し込めないということです。
具体的には次のいずれかの方法となります。
①連帯保証人として、銀行、農林中央金庫、商工組合中央金庫、信用金庫、信用協同組合、農業協同組合が発行した保証書の提出
②ETC支払い見込月額の4倍(最低10万円)の保証金を預託
また実際の利用額が見込額がを上回った場合は、さらに追加分の保証書又は保証金を用意する必要があります。
これは起業したての会社にはハードルが高いのではないでしょうか。
■手続きが面倒
通常のETCカードの発行に比べると提出書類も多く、時間もかかります。
・申込者の印鑑証明
・保証人の印鑑証明(保証書で支払い保証をする場合)
・自動車検査証の写し
・事業免許証の写し、運行経路、回数、停留所等を明らかにした書類(個人は不要)
・その他必要書類
ETCマイレージサービスが利用できない
ETCマイレージサービスとは高速道路を利用するとポイントが貯まるサービスです。このポイントは翌月以降の無料通行分として還元することができます。
ETCマイレージサービスを利用するには事前登録が必要となりますが、ETCコーポレートカードではそもそも登録すること自体ができません。

登録した車両以外では利用できない
ETCコーポレートカードは車両1台につき1枚発行されます。
そのため登録した車両以外で使うことはできません。
自家用車やレンタカーを使う場合に差し替えて使用するという使い方はできません。
登録する車両が多数ある場合は、その台数だけ発行手続きをする必要があり、都度経費がかかることになります。
NEXCOが指定する高速道路でないと割引が適用されない
ETCコーポレートカードの最大の特徴である大口・多頻度割引は、高速道路会社(NEXCO)が指定する高速道路及び一般有料道路でのみ適用されます。
それ以外の高速道路及び一般有料道路を利用する場合はあまりメリットがありません。
利用金額が多くないと割引が適用されない
ETCコーポレートカードは月に数万円を高速料金に使うような大口の事業者向けのETCカードです。
最大メリットである大口・多頻度割引は月3万円以上の支払いがないと割引対象にならないため利用が少ない事業者については、割引が適用されず無駄になるケースがありその点はデメリットとなります。
ETCコーポレートカードの割引制度
ETCコーポレートカードの割引制度を利用することによって、高速道路料金を大幅に割引してお得に利用することができます。
通常のETCカードにも割引制度がありますが、ETCコーポレートカードはそれにプラスして「大口・多頻度割引」という最大40%の割引が受けられる独自の割引制度をもっています。
ETCコーポレートカード | 通常のETCカード | |
---|---|---|
大口・多頻度割引 | 有 | 無 |
平日朝夕割引 | 有 | 有 |
深夜割引 | 有 | 有 |
休日割引 | 有 | 有 |
一般向け割引 | 無 | 有 |
ETCコーポレートカードの割引制度を受けるための大前提とは
ETCコーポレートカードの割引制度の適用を受けるためには、利用金額、時間帯、利用回数など各割引制度の適用条件を満たす必要があります。
しかしそれ以前に割引制度を受けるための大前提がありますので、当たり前のことと思われがちですが、下記にまとめておきます。
・ETCコーポレートカードに記載された車両番号と一致した車両を利用する
・ETC利用規程を遵守しETCシステムを利用する
大口・多頻度割引
ETCコーポレートカードが独自にもつ大口利用者向けの割引制度です。
高速料金を月に数万円も払っている会社や自営業者(個人事業主)であれば、大変お得で是非利用したい制度となっています。
大口・多頻度割引には割引方法が2種類あります。
①車両単位割引→車両1台ごとに計算
②契約単位割引→法人単位、事業者単位で計算
割引率は全ての車両の1ヶ月のETCコーポレートカードの利用額の合計に車両単位割引+契約単位割引を計算して決定します。
①車両単位割引
NEXCOの指定する高速道路で最大で30%、ETC2.0利用車両であれば最大で40%の割引を受けることができます。
1ヶ月の利用額が5千円以上から適当され、3万円以上になれば最大30%(ETC利用車両40%)の割引となります。
自動車1台ごとの1ヶ月の高速ご利用額 | 割引 | 割引(ETC2.0利用) |
---|---|---|
5千円を超え、1万円までの部分 | 10% | 20% |
1万円を超え、3万円までの部分 | 20% | 30% |
3万円超える部分 | 30% | 40% |
※平成31年3月末まで
※各道路運営会社によって異なる場合があります。
②契約単位割引
NEXCOの指定する高速道路で最大で10%の割引を受けることができます。
下記の2つの条件をクリアした場合に割引が適用されます。
- 契約者の登録した全車両の月間利用額の合計が規定金額を超えた場合
- 車両1台あたりの月間平均利用額が規定金額を超えた場合
高速道路 | 全車両の月間利用額 | 車両1台あたりの月間平均利用額 | 割引率 |
---|---|---|---|
NEXCO(東日本/中日本/西日本高速道路株式会) | 500万円超 | 3万円超 | 10% |
NEXCO(東日本/中日本/西日本高速道路株式会)管理の割引対象一般有料道路 | 100万円超 | 3万円超 | 10% |
首都高速 | 100万円超 | 3万円超 | 10% |
阪神高速(阪神圏) | 100万円超 | 3万円超 | 10% |
阪神高速(京都圏) | 100万円超 | 3万円超 | 10% |
平日朝夕割引
平日朝夕割引は、
- 平日(土・日・祝除く)6時~9時、17時~20時の間
- 割引適用区間である高速道路・有料自動車道を利用した場合
に割引が適用される割引制度です。
通常のETCカードにもある平日朝夕割引ですが、ETCコーポレートカードでも適用されます。
割引率は1ヶ月の利用回数によって決まり、最大50%の割引となります。
平日朝夕割引 | |
---|---|
割引対象期間 | 全日 平日(土・日・祝除く)6時~9時、17時~20時 |
割引率 | 30~50% |
割引対象道路 | NEXCOの指定する高速道路及び宮城県道路公社の仙台松島道路 |
割引対象車種 | 全車種 |
1ヶ月の利用回数 | 走行距離 | 割引率 |
---|---|---|
5~9回まで | 最大100km相当分まで | 30% |
10回以上 | 最大100km相当分まで | 50% |
■平日朝夕割引の注意点
・4回までは割引が適用されない
平日の適用時間に割引適用区間を走行しても4回までは割引の対象となりません。
・大口・多頻度割引とあわせての割引はできない
平日朝夕割引は大口・多頻度割引とあわせての割引はできません。
5回以上の利用で100km相当分までは平日朝夕割引が適用され、100kmを超える分から大口・多頻度割引が適用されます。
・還元方法が違う
通常のETCカードでは、平日朝夕割引の還元は利用月の翌月20日に無料通行分として還元されます。しかし、ETCコーポレートカードでは請求時に割引分がそのまま値引きされます。
深夜割引
深夜割引は、
- 深夜時間帯0時~4時の間
- 割引適用区間である高速道路・有料自動車道を利用した場合
に30%の割引が適用される割引制度です。
また大口・多頻度割引とあわせての割引が適用されます。
深夜割引 | |
---|---|
割引対象期間 | 全日 0-4時 |
割引率 | 30% |
割引対象道路 | NEXCOの指定する高速道路及び宮城県道路公社の仙台松島道路 |
割引対象車種 | 全車種 |
■深夜割引の注意点
深夜割引は平日朝夕割引、休日割引とあわせての割引はできません。
・深夜割引と平日朝夕割引の両方の適用条件を満たした場合
→深夜割引が適用されます。
・深夜割引と休日割引の両方の適用条件を満たした場合
→割引率が高い方の割引が適用されます。
休日割引
休日割引は、
- 休日の土曜日・日曜日・祝日(終日)の間
- 割引適用区間である高速道路・有料自動車道を利用した場合
に30%の割引が適用される割引制度です。
また大口・多頻度割引とあわせての割引が適用されます。
ただし割引の対象となる車種は普通車・軽自動車等(二輪車)に限定されます。
これは休日割引の本来の目的が、観光による地域活性化を図るために作られた割引制度であるためです。
休日割引 | |
---|---|
割引対象期間 | 土曜日・日曜日・祝日(終日) ※毎年1/2 1/3を含む ※お盆期間など高速道路の渋滞分散のため適用日が変更になる場合あり |
割引率 | 30% |
割引対象道路 | NEXCOの指定する高速道路及び宮城県道路公社の仙台松島道路 |
割引対象車種 | 普通車・軽自動車等(二輪車)限定 |
■休日割引の注意点
休日割引は深夜割引とあわせての割引はできません。
・深夜割引と休日割引の両方の適用条件を満たした場合
→割引率が高い方の割引が適用されます。
なお平日朝夕割引とは平日と休日に分かれるため、そもそも適用条件が重複することはありません。
一般向け割引
一般向け割引は、全国各地で期間限定で行われる乗り放題プランや周遊割引です。
一般観光向けの割引であるためETCコーポレートカードでの割引適用はありません。
主な一般向け割引 | |
---|---|
北海道・東北エリア | ・北海道観光ふりーぱす ・東北観光ふりーぱす |
関東・甲信越エリア | ・新潟観光ドライブパス ・2018信州めぐりフリーパス |
中部(三重・北陸)エリア | ・静岡ドライブプラン ・やまなしドライブプラン ・みえ旅ドライブプラン ・速旅(はやたび)快走G割! 岐阜県周遊ドライブプラン |
関西エリア | ・阪神高速乗り放題パス【2018 SUMMER-AUTUMN】 ・京都・若狭路・びわ湖ぐるっとドライブパス2018 |
中国・四国エリア | ・四国まるごとドライブパス!2018 ・ぶらり中国ドライブパス2018 |
九州・沖縄エリア | ・九州よかよかドライブパス2018 ・佐賀・長崎ドライブパス |
他の法人向けETCカードとの違い
法人向けのETCカードには、ETCコーポレートカード以外に
・法人クレジットカートにETCカードをつけた「法人カード+ETCカード」
があります。
各法人カードの特徴を一覧にまとめました。
ETCコーポレートカード | ETCコーポレートカード(共同組合) | 法人ETCカード(ETC法人カード) | 法人カード+ETCカード | |
---|---|---|---|---|
法人(個人事業主) | ○ | ○ | ○ | ○ |
発行元 | 高速道路会社(NEXCO東/中/西日本) | 高速道路会社(NEXCO東/中/西日本) | カード会社 | カード会社 |
個人申込 | ○ | - | - | - |
クレジット機能 | - | - | - | ○ |
クレジット審査 | - | - | - | ○ |
発行枚数 | 所有車の台数 | 所有車の台数 | 必要分 | カードによる |
保証金の預託義務 | ○ | - | 審査による | - |
連帯保証人 | ○ | - | - | - |
代表者の信用調査 | - | - | - | ○ |
発行難易度 | やや難 | 容易 | 容易 | 難 |
発行手数料/枚 | 617円 | 617円 | 540円 | カードによる |
取扱手数料/年/枚 | 617円 | 617円 | 540円 | カードによる |
組合費(脱退時に返金) | - | 10000円 | 10000円 | - |
利用手数料 | - | - | 5~8% | - |
大口・多頻度割引 | ○ | ○ | - | - |
平日朝夕割引 | ○ | ○ | ○ | ○ |
深夜割引 | ○ | ○ | ○ | ○ |
休日割引 | ○ | ○ | ○ | ○ |
一般向け割引 | - | - | - | - |
ETCマイレージ | - | - | ○ | ○ |
ポイント還元率 | - | - | - | 0.3~1%程度 |
レンタカー・リース車両などでの使用 | - | - | ○ | ○ |
法人ETCカード(ETC法人カード)とは
法人ETCカードとはクレジット機能のないETC専用カードです。
発行はクレジット会社ですが、申し込みは協同組合で受け付けています。
■法人ETCカードの手数料
法人ETCカードの発行にあたっては、1枚毎に発行手数料540円(税込)と取扱手数料が年540円(税込)のが必要となります。
また協同組合に加入するための組合費が10000円かかります。組合費は組合の脱退する場合に返金されます。
取扱手数料/年/枚:617円
利用手数料:5~8%
組合費:10000円(脱退時に返金)
■法人ETCカードメリット
- ETCの割引制度(平日朝夕・深夜・休日割日)が利用できる
- ETCマイレージサービスにに登録することができる
- クレジット審査が不要なので起業したての会社や赤字の会社でも作る事ができる
- 車両限定がないので、どの車でも利用できる。
■法人ETCカードデメリット
- 大口・多頻度割引に対応していない
- 利用手数料(5~8%)がかかる
法人ETCカードまとめ
ETCコーポレートカードと法人ETCカードの大きな違いは、
大口・多頻度割引、ETCマイレージサービスの有無の違いとなります。
どちらも申込みは比較的簡単で設立したての会社でも問題なく発行できます。
それぞれの利用状況に応じて使い分けるといいでしょう。
■ETCコーポレートカード
- 設立したての会社
- 月の高速利用料金が高額
- 大口・多頻度割引が適用されるNEXCO指定の高速道路や首都高、阪神高速を主に利用する事業者
■法人ETCカード
- 設立したての会社
- 月の高速利用料金が少額
- ETCマイレージが適用されるNEXCO指定の高速道路や本州四国連絡橋を主に利用する事業者
法人カード+ETCカードとは
通常のETCカードは、クレジット会社が発行しています。
クレジットカード申込み時にETCカードも申し込み、クレジットカードとそれに紐づくETCカードが別々に発行されます。
法人カードも同様に、法人用クレジットカード(コーポレートカード)+ETCカードとして申し込みます。
法人用のクレジットカードですので、通常の法人用クレジットカードと同じく、事業歴の長さや売上状況などある程度の実績がないと審査に通りません。
設立したての会社や個人事業主だと審査はかなり難しいと言えます。
■法人カード+ETCカードの手数料
通常の法人用クレジットカード同様にカード発行や取扱手数料(年会費)については、各カード会社によって様々です。
取扱手数料/年/枚:カード銘柄による
利用手数料:無
■ETCカードの発行枚数
ETCカードの発行枚数についても、各カード会社によって様々です。
通常は、1枚の法人カードにつき1枚のETCカードが発行されます。
複数のETCカードを持ちたい場合は、追加で法人カードを申し込む必要がありますが、
JCB法人カードや三井住友ビジネスカードのように1枚の法人カードで複数のETCカードを発行できるカードもあります。
クレジットカード | ETCカード発行枚数 |
---|---|
JCB法人カード | 複数 |
三井住友ビジネスカード | 複数 |
アメリカンエキスプレスビジネス・ゴールドカード | 5枚まで |
楽天ビジネスカード | 複数 |
オリコエグゼクティブ ゴールド フォービズ | 1枚 |
セゾンプラチナビジネスカード | 1枚 |
ETC/JCB法人カードはクレジットカード自体にETC機能が付帯しているカードです。
■法人カード+ETCカードのメリット
- ETCの割引制度(平日朝夕・深夜・休日割日)が利用できる
- ETCマイレージサービスにに登録することができる
- クレジットカードのポイント・マイル還元がある
- 旅行傷害保険や国内・海外航空機遅延保険などカードに付帯するサービスがある
- 車両限定がないので、どの車でも利用できる。
■法人カード+ETCカードのデメリット
- 大口・多頻度割引に対応していない
- 新会社・新規個人事業者だと審査に通りにくい
- カードによっては発行枚数に制限がある
- カードによっては年会費、手数料の経費がかかる
法人カード+ETCカードまとめ
ETCコーポレートカードと法人カード+ETCカードの大きな違いは、
大口・多頻度割引、ETCマイレージサービス及びポイント還元の有無の違いとなります。
法人カード+ETCカードの場合、ETCカードを従業員に配布し、高速料金に利用してもらえば、マスターの法人カードにポイントが集約されますのでその点はお得だと言えます。
ただ、審査が厳しい点が最大のネックとなります。
またカードの年会費や複数枚発行時の手数料など経費がかかる点がデメリットとなっています。
■ETCコーポレートカード
- 設立したての会社
- 月の高速利用料金が高額
- 大口・多頻度割引が適用されるNEXCO指定の高速道路や首都高、阪神高速を主に利用する事業者
■法人ETCカード
- 既に実績のある会社
- 月の高速利用料金が高額
- ETCマイレージが適用されるNEXCO指定の高速道路や本州四国連絡橋を主に利用する事業者
ETCコーポレートカードの作り方
ETCコーポレートカードを作る方法は、下記の2通りの方法があります。
①高速道路会社(NEXCO)各社の取扱窓口より直接申し込む
②協同組合に加入して申し込む
ETCコーポレートカードは個人でも申込可能ですが、
個人で申し込む場合は、高速道路会社(NEXCO)各社の取扱窓口より直接申し込む方法のみとなります。協同組合からの申込はできませんので注意が必要です。
高速道路会社(NEXCO)各社の取扱窓口から直接申し込む場合
①高速道路会社(NEXCO)各社のWEBサイトまたは、各窓口で利用申込書を入手します。
②各種申込書の必要事項に記入・捺印し、その他の必要書類とともに最寄りの窓口に送付します。
③問題なければ、結果通知書が窓口会社より送付されます。
④支払い保証の案内に従い、
・窓口会社の指定銀行口座へ保証金を預託
又は
・支払い保証書を提出
⑤保証に問題なければ、保証預かり証、カード発行通知、ETCコーポレートカードが送付されます。
⑥カード受取書をNEXCOに返信します。
必要書類 | 個人 | 法人 |
---|---|---|
各種申込書 ・ETCコーポレートカード利用申込書 ・ETCコーポレートカードの利用申し込みに係る誓約書 ・ETCコーポレートカード利用申込み車両一覧 | ○ | ○ |
申込者の法人登記簿 | ○ | |
申込者の印鑑証明 | ○ | ○ |
保証人の印鑑証明※1 | ○ | ○ |
自動車検査証(写し) | ○ | ○ |
事業免許証(写し)、運行経路、回数、停留所等を明らかにした書類※2 | ○ | |
その他窓口会社が必要と認める書類 | ○ | ○ |
※1 保証書によって支払いを保証する場合
※2 路線バス事業者の場合
東日本高速道路株式会社の取扱窓口
北海道支社
大口・他頻度窓口(料金サービス課内)
〒004-8512
札幌市厚別区大谷地西5-12-30
011-896-5315
東北支社
大口・他頻度窓口(料金サービス課内)
〒980-0021
仙台市青葉区中央3-2-1 青葉通プラザ
022-217-1908
関東支社
大口・他頻度窓口(料金サービス課内)
〒330-0854
さいたま市大宮区桜木町1-11-20 大宮JPビルディング16階
048-631-0220
新潟支社
大口・他頻度窓口(料金サービス課内)
〒950-0917
新潟市中央区天神1-1 新潟プラーカ3 4階
025-241-5160
中日本高速道路株式会社の取扱窓口
東京支社
大口・他頻度窓口(ETCコーポレートカード係)
〒105-6010
東京都港区虎ノ門4-3-1 城山トラストタワー 10階
03-5776-5679
八王子支社
大口・他頻度窓口(ETCコーポレートカード係)
〒192-8648
八王子市宇津木町231
042-691-8261
名古屋支社
大口・他頻度窓口(ETCコーポレートカード係)
〒460-0003
名古屋市中区錦2-18-19 三井住友銀行名古屋ビル
052-222-1230
金沢支社
大口・他頻度窓口(ETCコーポレートカード係)
〒920-0365
金沢市神野町東170
076-240-4954
西日本高速道路株式会社の取扱窓口
関西支社
大口・他頻度窓口(サービス課内)
〒567-0871
大阪府茨木市岩倉町1-13
06-6344-9288
中国支社
大口・他頻度窓口(サービス課内)
〒731-0103
広島市安佐南区緑井2-26-1
082-831-4477
四国支社
大口・他頻度窓口(サービス課内)
〒760-0065
高松市朝日町4-1-3
087-823-4063
九州支社
大口・他頻度窓口(サービス課内)
〒812-0013
福岡市博多区博多駅東3-13-15
092-260-6133
協同組合に加入して申し込む場合
①各協同組合の問い合わせ窓口(メール、メールフォーム、電話)より、書類の請求を行います。
②担当者より連絡があります。不明点などはこちらで確認するといいでしょう。
③詳細資料と各種申込書が送付されます。
④資料確認後、各種申込書に必要事項を記入・捺印し、その他の必要書類とともに返信します。
⑤問題なければ3~4週間後にカード発行
■必要書類
・各種申込書
組合加入申込書
トールクレジット会員申込書
預金口座振替依頼書
・商業登記簿謄本のコピー
6カ月以内のもの。(個人事業主様の場合は、直近の確定申告書もしくは開業届のコピー)
・車検証のコピー
車検の使用者名義が事業者と一致していること
・運転免許証のコピー
申込担当者様の運転免許証のコピー
・車載器セットアップ証明書のコピー
ETC設置の際に受け取っている書類
※協同組合によって手続きが異なる場合があります。
ETCコーポレートカードの明細
ETCコーポレートカード利用明細では利用車両での区間毎の明細及び割引額がわかります。
これをもとに運搬ルートの見直し、業務の効率化、経費削減を検討することが可能となります。
主な項目 | |
---|---|
日付 | ETCを利用した日。日付をまたいで料金所を通過した場合などは実際の日付と違う場合があります。 |
車種 | 大型車、普通車など利用車種 |
通行区間 | 利用した高速の入口、出口のIC(インターチェンジ)名 |
割引前料金 | 割引が適用される前の高速道路料金 |
ご利用金額 | 割引が適用された後の高速道路料金 |
ETC割引額 | ETC利用での割引額 |
高速料金 | 高速国道の利用料金 |
一般有料料金 | 一般有料道路の利用料金 |
公社料金 | 高速道路会社(NEXCO)3社が管理する以外の道路利用料金 |
大口多頻度対象額 | 大口・多頻度割引の対象となる金額 |
割引 | 大口・多頻度割引の適用外となった場合の理由表示(車両不一致など) |
備考 | 平日朝夕割日や休日割日など他の割引が適用された場合にその割引を番号で表示 |
ETCコーポレートカードのセットアップ方法・料金
ETCコーポレートカードはカードだけでは利用することはできません。
ETCコーポレートカードを利用するには、下記の手順でETCコーポレートカードを車両に取りつける必要があります。
■ETCコーポレートカード取りつけの手順
①ETC車載器の購入
↓
②ETC車載器のセットアップ
↓
③ETC車載器を利用車両に取りつけ
↓
④ETCコーポレートカードをETC車載器に挿入
ETCコーポレートカードの有効期限
ETCコーポレートカードには有効期限があります。
ETCコーポレートカードの表面、右下に有効期限が記載されています。
また、前方の車が有効期限切れでETCレーン内で停止してしまう場合もありますので、ETCレーンへの走行では、規定速度(20km/h以下)を守りましょう。
ETCコーポレートカードの再発行
ETCコーポレートカードを再発行したい場合、再発行の理由によって手続き方法が変わってきます。
■破損又は変形した場合等で再発行する場合
①ETCコーポレートカード再発行申込書をカードとともに窓口会社に提出します。
↓
②希望があれば、新しETCコーポレートカードが発行されるまでの間、窓口会社より再発行仮カードが貸与されます。再発行仮カードは届出日から約2~3日
↓
③再発行されたETCコーポレートカードが送付されます。再発行カードは届出日から約2~3週間
↓
④再発行仮カードを貸与されている場合は、返却届を添え、再発行仮カードを直ちに窓口会社に返却します。
■紛失、盗難等で再発行する場合
①ETCコーポレートカード紛失届を窓口会社に提出します。紛失届を提出した日から一か月以内に限りカードの再発行手続きが可能になります。
↓
②ETCコーポレートカード再発行申込書を窓口会社に提出します。
↓
③希望があれば、新しETCコーポレートカードが発行されるまでの間、窓口会社より再発行仮カードが貸与されます。
↓
④再発行されたETCコーポレートカードが送付されます。再発行カードは届出日から約2~3週間
↓
⑤再発行仮カードを貸与されている場合は、返却届を添え、再発行仮カードを直ちに窓口会社に返却します。
※紛失届を提出した後にETCコーポレートカードが発見された場合、ETCコーポレートカー発見届を窓口会社に提出します。窓口会社から指示があるまでは、発見したカードは利用できません。
※カードの再発行を受けている場合、紛失したカードを発見したときは、速やかに返却届を添え、発見したカードを窓口会社に返却します。
■ETCコーポレートカードの再発行手数料
1枚毎に再発行手数料617円(税込)が必要となります。
再発行手数料/枚:617円
ETCコーポレートカードの解約方法
何らかの理由でETCコーポレートカードを使わなくなった場合の解約方法を説明します。
申込時の支払い保証によって手続き方法が変わってきます。
■支払い保証書を提出していた場合
①ETCコーポレートカード解約届を窓口会社に提出します。
↓
②窓口会社の指示に従い、ETCコーポレートカードを返却します。
↓
③窓口会社が、後納料金等が完済されていることを確認
↓
④窓口会社から保証書(追加保証がある場合は追加保証書も)が返還されます
■保証金を預託していた場合
①ETCコーポレートカード解約届を窓口会社に提出します。
↓
②窓口会社の指示に従い、ETCコーポレートカードを返却します。
↓
③保証金返還請求書に保証金預り証(追加保証金ある場合は追加保証金預り証も)を添えて、窓口会社に提出します。
↓
④窓口会社が、後納料金等が完済されていることを確認
↓
⑤窓口会社から保証金が返還されます
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